2008年5月9日金曜日
辻原登 「花はさくら木」を読んだ。
辻原登 「花はさくら木」を読んだ。 時は十八世紀、ところは京。 田沼意次と、後の後桜町天皇(智子)を軸に、やはり歴史の行間を青井三保、菊姫を配し、背景のように蕪村らを配して、物語を作る。 先の、「翔べ麒麟」に似た面白さを持つ読み物だ。 昔、習った歴史では田沼意次は改革を行ったが、一方で賄賂等により失脚した悪役としてのイメージがあったが、「花はさくら木」では、「ひとは武士」として描いており、このへんが大きなモチーフか。 歴史というのは記録されたものがベースになるが、どのような状況で記録されたものかで見方が大きく変わるものであることをこの物語は示している。 辻原登が芥川賞作家というのは一面の事実であるように。
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