文春9月号を買った。 動機は最新の芥川賞受賞作家、楊逸さんの作品を読むためだったが、戸塚洋二さんの記事に出会うことができた。 戸塚さんは、スーパーカミオカンデで、ニュートリノの質量を観測して次のノーベル賞候補といわれたひとだが、先月、7月10日に大腸がんのため亡くなられた。 その亡くなられた日に発売された文春8月号に戸塚さんと立花隆氏の対談が特集されており、9月号の特集になったものと思われる。
記事の中身は、戸塚さんが大腸がんが発見され治療を続ける中、いくつかの転移により、余命19月を宣告された後、2007年8月から記し始め、死の直前、7月02日までのブログの紹介と、7月02日から10日までの奥様のブログの補足だ。 ブログはこれです。
http://fewmonths.exblog.jp/
スーパーカミオカンデは、現役時代に仕事のなかのトランザクションとして何度か出会ったことがあり、さらに小柴昌俊さんのノーベル賞受賞で知っていたので一度見に行きたいと思っていたところですが、8年の闘病生活にもかかわらず、ブログを通じて、厳しい体験を次の人に伝えるために頑張ったことが手に取るようにわかります。 救いは、脳への転移があったにもかかわらず、最後まで意識を失わず、家族に見守られ亡くなられたことです。 文春9月号には、「日本の師弟89人」特集があり、小柴昌俊さんが師として戸塚さんの死を悼む言葉を残しています。
2008年8月27日水曜日
文春9月号を買った
文春9月号を買った。 動機は最新の芥川賞受賞作家、楊逸さんの、「時が滲む朝」を読むためだ。 目次を見て、9月号にはほかにもよい記事のあることに気がついた。 まづは「時が滲む朝」を読んだ。 中国人が日本に来て、日本語ほかを学んで書いた作品ということで話題になったが、作品から日本語を一生懸命に使おうという思いが伝わってきた。何人かの選考委員の作家からは文章力に対していくつかの厳しいコメントもあるが、芥川賞は完成された作家をたたえるのではなく、その可能性を評価するというものであれば、楽しみな作家の作品と思う。最近、北京オリンピックで背伸びした中国の一辺をTVを通じてみたが、実際の中国の広さと深さと、巣ペクトラムの巾を理解することは難しい。 楊逸さんの中国体験に基づく、日本語によるこれからの作品が楽しみだ。 横綱二人がモンゴルから出ている時代、アジアから毎年芥川作家クラスがでても不思議ではないし、それでないとなかなか中国の奥行きと行間を知ることは難しいのではと思う。
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